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日本のバブル期には、ディスコやサーフィンが大ブームとなり、しばしば女性をナンパする場にもなった。
いわば、肉食恋愛への転換期。
80年、現・参議院議員のT氏が発表した小説『N』がヒットした頃から、小説にも登場する高級ブランドやレストランが話題をさらい、再び豊かな資本主義への憧れが開花した。
以後、80年代後半にかけて、恋愛消費の最盛期が訪れたのは、既述のとおり。
そう考えると、経済と恋愛意欲は、やはり連動する部分がかなりありそうだ。
アメリカのある心理学者も先日、こんな研究結果を発表した。
過去のデータを検証した結果、男性は経済がいい時は、小柄でフェミニンで、目も胸も大きい女性を求める。
でも不景気になると、大柄で、目も胸も小さい女性に、そばにいて欲しいと思う。
出典は、男女のマッチングサイト『M』。
同社はこれを、「不景気だと男性は不安を感じやすい。
だから大柄で安心感を感じる女性に、やさしく抱きしめてもらいたいと思うのだろう」と分析する。
男性は景気がよければ肉食恋愛に走り、不景気になれば草食恋愛に向かう、というわけだ。
女性のほうも、やっぱり不安な時代は“癒し”を求めるらしい。
ニューヨークでは「9.11(01年9月11日の同時多発テロ)」以降、大金を稼ぐエリート男性より、定時にキチンと帰ってきてくれる、温かく包容力がある男性が女性に人気、とのこと(O「海外恋愛事情〜ニューヨーク発」)。
フランスでも近年、家事や育児に積極的に関わる草食系男子が人気だという。
教えてくれたのは、以前私を取材してくれた、ある国際通信社のフランス人記者だ。
彼いわく、現大統領Sが選挙で「もっと働き、もっと稼ごう」をスローガンに戦って以来、「みんな仲良く」の平等主義(草食系)が強かったフランスでも“弱肉強食”の肉食志向が見直されているという。
ただ、どちらが女性に人気かといえば「やはり草食系だろう」とのこと。
共働きが大前提のフランスだから、とも言えるだろう。
近年のパリでは、まだ結婚していない独身男性までが「未来のわが子の誕生に備えて」と、産婦人科が主催する育児教室に積極的に集まってくるそうだ(O「海外恋愛事情〜パリ発」)。
「でもフランス人って、恋愛ではすごい肉食系なんじやないの?」日本では、そう言われることも多い。
「すごい肉食系」と指摘する根拠は、おそらくセックスの頻度だろう。
確かにその意味では、肉食と呼んで間違いない。
世界ナンバー1のコンドームメーカーD社の調査(05年)によると、フランス人のセックス頻度は世界でもトップレベル。
世界平均の年間103回に対し、120回にも及ぶ。
だが、衝動的にエッチしているかと言えば、必ずしもそうとは言えない。
「主要国の性行動比較」を見ると、フランス人のセックスパートナーはかなり限定的だ。
過去1年間に5人以上の相手とエッチした男性は、わずか2%、買春経験アリの男性も1%しかいない。
異性との交際経験も、意外や意外、20代までは「ナシ」が男女とも15%前後いて、アメリカやスウェーデン、韓国よりもオクテである様子が見てとれる(05年内閣府「少子化社会に関する国際意識調査」ほか)。
ガッカリなのは、日本だ。
セックスの頻度も少ない、満足度も低い、よく言われることだ。
世界各国のセックス頻度と性生活満足度年齢は18〜49歳(ただし5人以上の相手に関しては英国16〜44歳、米国18〜59歳)。
調査年はベルギー1993年、スペイン・英国1990年、ノルウェー・フランス・フィンランド・米国1992年、オランダ1989年、日本1999年出所。
国立国際医療センターT病院エイズ治療・研究開発センター(厚労省)「日本人のHIV/AIDS関連知識、性行動、性知識についての全国調査」より世界でダントツのトップ。
でも過去1年間に5人以上の相手とエッチした男性は5%と少なからずいるし、買春に至ってはなんと、1年で14%もの男性が経験している。
エコラブですらない、ゼロラブで“本能の処理”だけは肉食、ともとれる数値だ。
ただしエコエッチ度が高いのは、とくに日本に問題があるからとは思わない。
日本に次いで頻度が低いのは、シンガポール、インド、インドネシア、香港、マレーシア……と、軒並みアジアばかり。
アジア人のセックスは、ラテン民族や西欧人より遥かに、欲求自体が“エコ”なのだろう。
逆に、エッチは肉食寄りのアメリカでは、「最近、『家庭内ED(勃起障害)』が原因でうつになる男性が相当数いる」とも囁かれている。
妻に期待されすぎるのも、ラクじゃない。
日本男性はただでさえストレスが多いのだから、頻度が低いエコエッチについては、女性(妻やカノジョ)の側も理解してあげるべきだ。
ただ残念なのは、夫婦関係に“誠意”を求める男女が、極端に少ないこと。
先ほどの調査で「(夫婦生活では)互いに誠実であることが大事」と答えた男女は、韓国、アメリカ、フランス、スウェーデンでいずれも約8〜9割にのぼるのに、日本ではたった56%。
半数近い41%の男女は、「誠実さは、さほど重要ではない」と考えているのだ(前出「少子化社会に関する国際意識調査」)。
W氏による『S』や『A』があれほどオジサマ達を沸かせたことでも分かるとおり、日本人男性がいかに“妻以外”の女性との性愛を夢みがちであるか、は分かる。
『C』にも書かれているとおり、「中高年男性のエロスは、頭が禿げても、歯がガタガタになっても、枯れることができない」のだろう。
かつての日本では、その性愛こそが文化の発展を担ってもいた。
つけ文や香りでその人の知性や教養、センスを問うた平安時代もそうだ。
江戸時代以降の吉原(遊郭)も、女性の化粧やファッションはもちろん、風呂敷やちゃぶ台、ゆびきりげんまんといった、いまに続く文化を数多く生み出した。
だが現代の日本で、妻子ある男性、あるいは夫子ある女性が衝動的な性愛に走れば、それだけリスクも大きい。
『S』のように、その自虐的なバーニング恋愛に本人達が陶酔できるならまだいいが、単にゼロラブで“2万円ポッキリ”で買春して終わり、というのでは、ハッキリ言って後に何も生まない。
しかも、もし妻(夫)にバレたら、離婚の可能性も十分あり得る。
私も40代男性から「遊びのつもりで何度か風俗に行っただけなのに、妻が別れると言って聞かない」といった相談を何件か受けたことがある。
そんなことになったら、心が傷つく以上に膨大なパワーを要するのは、想像に難くない。
そう、本人は省エネの“ゼロ恋愛エッチ”のつもりでも、結果的には心身共に疲弊するほどパワーが必要になる。
それが薄々分かっていながら、年間14%の男性が買春するという現状は、理性が足りない国と見られても仕方がない。
さらにもう1つ、残念なのは「性的魅力の保持」について。
私の主観だが、結婚しても夫婦は、ある程度“男と女”であるべきだ。
第1ステージのバーニング恋愛は早々に卒業せざるを得ないにしても、第2ステージのエコ恋愛でトキメキを一切失ってしまったら、その後の結婚生活が楽しくない。
でも日本では、結婚後に「性的魅力を保持することが大事」と考える男女が、極端に少ないのだ。
先ほどの調査を見直すと、アメリカやフランスで「大事だと思う」が4割前後いるのに対し、日本ではたったの2.8%。
韓国(8.4%)と比べても、6%少ない。
こちらについては、妻(女性)にも責任がある。
女同士で集まれば、40代、50代になっても「女を忘れたくない」「トキメキを持っていたい」と口々に話す妻達。
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